バカのための思考法(アンダーライン)

半径5メートル情報の世界に閉じ込められていると感じることはないだろうか

五感が利く範囲もしくは目の前のことしか認識できないという意味だ

そして私たち人間は習慣の生き物なので、半径5メートル情報の世界になれてしまうと、その外側に世界が広がっていることもわからなくなり、そこから出ていこうとも考えなくなるのだ。私たちは常に馬鹿になっていくメビウスの輪から逃れられないのである

 

私の言う馬鹿とは、他人思考・他人価値観で生きることを指しているのだが、馬鹿を卒業するには人生の目的が必要となる

 

学校での神道行事の禁止・神道を学ぶことの禁止・修身の授業を廃止したことから考えれば、日本人特有の精神性と感性を鈍らせ、心のよりどころを奪っていしまうことが狙いだったと言える

 

何かを深く信仰し、それをベースに確固たる人生観を構築することは、主体的に人生を生きることに直結すると私は思うのだが、そういった精神性を破壊することを企画していたと考えられる。加えて、正しい歴史認識ではなく、自虐史観を植え付けることで、先人への尊敬や感謝の感性を鈍らせ、先人とのつながりを断絶させる狙いもあったのである。戦前までと戦後では、同じ日本人でも全く別物に作り替えられてしまったと言える

 

これは勝手な定義だが他人思考・他人価値観とは、自分の頭で考えるよりは誰かに考えてもらって、誰かに決意決断してもらいたいと思う生き方のことであり、また誰かの価値観に便乗して決意・決断することを望む生き方のことだ

 

自分では何ひとつ論じることもできないくせに、今朝の新聞に載ってたといえばなんとなくマウントをとれるし、新聞に代弁させておけば、馬鹿がばれずに済む。私たちにとってはそこが一番重要なんじゃないのか。

 

しかし私たちには、不安を回避すること以外に、もう一つ別次元の欲求がある。それは不安が確かなものであることを確認したい欲求である。

 

安心を感じるセロトニンという脳内伝達物質が他の民族と比べて非常に少ないと言われている

 

ハッシュタグ検索をして見つけ出したいのは、結局のところ自分が受け入れられる内容の動画や、自分と同じ価値観や意見を代弁してくれる動画なのだ

 

つまりマスコミがマスゴミなのは、私たち国民が馬鹿だからである

 

人間の脳は、強い脅威を与えられ制御のきかないストレスに晒されると、理性の中枢といわれる前頭前野の働きが弱まり、思考停止に陥ってしまうことが脳科学の研究でわかっている

 

また別の研究では、人間の脳には、難しく考えることを嫌う特性があり、短くて刺激的なわかりやすいフレーズを好むこともわかっている

 

大規模な危機が社会を襲った時、人は他者に対して攻撃的になり、権威あるものにすがりたくなる特性を持っている ドイツ国民の思考停止がナチスを生み出し、全体主義という名の怪物を跋扈させる結果を招いたのだ。そして、現在の日本人もこれと同じ状況にあることを私たちは注意すべきである

 

この現実世界に真実だと断定できるものは何一つない、というのが私の持論であり、かつ真理だと思っている。私にとっての真実が、あなたにとっても真実だとは限らない。人間の意識は自分を中心に世界観を構築しているのだ。これは世界の中心に自分が立っているという認識ではない。世界を観察している観察者は自分ひとりしかいないわけで、その立ち位置でなければ見えないものがあり、立ち位置が変われば違った世界像が出来上がるのだ。つまり自分にとっての真実しか私たちは理解できないということだ

 

たまにニュースで洗脳から醒めたというたぐいの話をきいたりするが、洗脳から醒めることと新たな洗脳を上書きすることは何が違うのだろうか。それこそ真実はどちらなのかを判断する基準は自分にしかない。そう、すべては自分で決めるしかない。

 

だが、どっちに転んでみても、私たちはプロパガンダの中を泳ぎ回っていくしかない、そしてどこまでが純粋な自分だけの意思決定なのかということも究極にはわからないのだ

 

私たち人間の脳は、自分の信念や価値観にそぐわない情報は「間違っている」と認定をし、素直に受け入れない傾向がある。現実をあるがままに直視しているようで、自分の信念を曲げずに済む情報しかキャッチしないようにできているのだ。あるいは、自分の信念や価値観に合致するようにしか現実を解釈しない特性を持っている

 

勘違いしている人も多いが、何も考えないことが思考停止なのではない。何をどれだけ考えても、自分の都合のいいようにしか考えない脳みそのことを思考停止というのだ。あれこれ一生懸命に考えて分析しても、物事をあるがままに観察していなければ何の意味もないのだ。

 

考える力を高めていくには、自分の思考を疑うことから初めてみるべきではないだろうか。

 

私たちが馬鹿から抜け出し、世界情勢などを読み解くカギは、「支配」と「支配からの脱却」にあるのではないかと考えている。支配という最も大きな構造が大前提にあって、その中に自由と不自由が混在しているという視点で世界の事象を見なければいけない。もちろんその世界情勢を読み解けたからといて、支配されている構造はかわらないが、私たち一人ひとりがそのことに気づくことでしか、世界を変えることができないのも事実であろう

 

主体的に自分の頭で考えるにはどうすればよいのか。まずは、自分自身に意識のベクトルを向けて自分に関心を持たなければ始まらない。普段の私たちは、自分に関心を持っていないわけではないのだが、自分が社会からどのようにみられているか、周りと比べて自分はどうなのか、という相対意識で生きている。つまり何かと自分の対比で世界を見ている。それがだめだとは言わないが、だから他人思考他人価値観の人生を生きることにつながり、自分から遠ざかっていくのだ。自分以外のことはよくわかっているが、肝心の自分がどこにあってどんな存在なのか、つかみきれないでいる。

 

どうやって生きていけばいいのかわからなくなった時は、7番目の方向を目指して進みなさい

普通方向と言えば、前後 左右 上下 の六つだと思うが、ネイティブアメリカンの認識では方向は全部で7つある。彼らの信奉するグレートスピリッツである創造主ワカンタンカは私たち人間に7つの方向を与え、私たちが何かを真剣に求め歩き出した時のサポートとなるよう7番目の方向に偉大な力を隠したという伝説として語り継がれているらしい。その7番目の方向とは「中心」、つまり「自分の中の自分」ということ。

ネイティブアメリカンの教えに従うならば、ちゃんと自分とつながることで、私たちは偉大な力を使い人生を創造していけるのだ。

 

世の中の多くの人が原因論で人生をとらえている。つまり過去が未来を創り出すという認識だ。しかし、本質的には今この瞬間を象徴する「反応=セルフトーク」が未来を創り出すと同時に過去の意味をも変えてしまう構造になっているのだ。いますぐ原因論から目的論へと人生の舵を切らねばならない。

 

心が先で現実が後 という言いまわしは、あのYouTube講演家鴨頭嘉人氏によるものだ。この言いまわしは、決して巷の安っぽい引き寄せの法則系の書籍やセミナーなどで謳われているようなものでなく、この宇宙の構造・原理原則を超シンプル且つ適格に言い表していると私は思う。先に心の中で現象が発生し、それが素粒子の振動に影響し、やがて物理空間にも現象としてあらわれてくるというのが宇宙の原理原則なのだ。だからといって、量子物理学を学べと言いたいわけではない。要するにあなたの意識と外側の世界は密接につながっているということが腑に落ちればいいわけで、どうやって腑に落とすかだけの話なのである。

 

私を含む多くの馬鹿な人間たちが、この激動の時代を生き抜いていくために必要な思考法とは、意識が現実を創り出しているという原理原則を学び、自らの意識と向き合っていくことなのだと私は考える。あなたの答えは何であろうか?